森田療法から見た過敏性腸症候群

不安・こだわり
*完璧を目指し、がんばらなくてはならないと、心身ともに緊張状態が続く
→ストレスになる
→自律神経のバランスが崩れる
*心身の休息をとらないので、つねに交感神経だけが働き続ける
→症状として体に現れる
*症状に関心が向き、それが不安のもととなる。精神交互作用が起こっている
→不安・こだわり
(以下同文)


*心の安らぎを得るーリラックスー
 心の安らぎを得るには、副交感神経の働きを優位にさせるとよい。何も考えず、深呼吸して脱力し、リラックスすれば、休息モードになる。


*過剰な生き方を望んでいる現れ
 なにごともきちんとできないと気がすまない性格の人は、満足することがありません。つねに欲求不満な状態では、大きなストレスとなり、体調に影響してきます。
 重要なのは、なにかが足りないためではなく、過剰を望んでいると気づくことです。仕事も家族関係も失敗するのが不安という気持ちは、仕事も家族関係も全てうまくやりたいと強く望んでいるからです(北西憲二(監修)『森田療法のすべてがわかる本』講談社、2007年;pp.84-85)。


*「強欲陰気暮らし」の生活をしている私の「欲の深さ」と、私の持病である過敏性腸症候群は、深く関係しているようです。「欲が深いと喜びが少ない」私が現在行っている、抗うつ薬SSRI選択的セロトニン再取り込み阻害薬)によって「不安」を鎮めるという過敏性腸症候群に対する治療法は、あくまで対症療法であって、根本療法ではないのでしょう。過敏性腸症候群に対するSSRI治療は、「人間が向き合うべき主体的な生き方の探求を回避するようになる」(島薗進「慎重論の論拠を求めて―エンハンスメント論争と抗うつ薬―」(『日本学報』28号、大阪大学、2009年))危険を孕んでいると思います。「足ることを知る」生き方が大切なようです。
 私の主治医(心療内科医)は東大卒で、生物学的な精神医学を学んできた人のようです。そのせいか主治医は、「一生、パキシルSSRIの一種)を飲み続けてください。」と言っています。また、SSRI離脱症状があるので断薬の難しい薬であり、そのことが先進国でSSRIユーザーが急増している理由の一つです。しかし、いつかはSSRIの断薬に挑戦しようと思います。