ゲリオン化する身体(3)ー身体の脱神話化

 身体はすべての神話的融即関係に与っていた。その心的衝動は、超自然的、トーテム的あるいはその他の影響力によるものであり、身体は固有の実体をもたず、それを指示する特定の語もなかった。それは支えにすぎなかったのである。しかし今や、肉体的存在の限界確定が完了し、その客観化が可能となる。身体という観念が明確になる。この発見が、身体と神話的世界との区別という結果を一気に引き起こしたのである(モーリス・レーナルト『ド・カモーメラネシア世界の人格と神話』、せりか書房、1990年(原著1947年)、p.284)。