「暴力のアート」としてのデモ鎮圧法

 戦後日本の世界への〝貢献〟は犠牲者を出さぬデモ鎮圧法かもしれない。光と水と音を浴びせ、逃げる者は逃げるに任せてリーダー格を何人か抑え、あとは写真撮影して、死者を出さず、「第二の樺美智子」をつくらないようにする。機動隊の服装はローマの兵士そのままに近く、天安門事件のために韓国機動隊が中国に貸し出したへが、中国は使わなかったそうである(中井久夫「米中の歴史が教えるもの」『中井久夫集11』みすず書房、2019年(原文2010年)、p215)。

*戦後日本社会における、支配者側の「暴力のアート(術)」の洗練。