境界性パーソナリティ障害と医原病
高学歴で頭もよく、人間関係にもとくに問題はなく、社会的には障害がないという女性が、うつ状態を訴えて受診しました。自分を肯定できないという彼女は、うつだけではない、なにかの異常を感じているようでした。そこで、28ページで紹介した症状の有無(熊田注;憤怒・空虚感・孤立無援感・よるべのない不安・自暴自棄・抑うつ・絶望の7つ)を聞くと、「そうです、そうです」と深くうなずくのでした。それまで自分でつかみきれなかった心の問題が、具体的に浮かび上がったのでしょう。
彼女のように、うつ状態+αを訴えて受診する人が多いのです(市橋秀夫(監修)『境界性パーソナリティ障害は治せる』大和出版、2013年、p36)。
*これでは、医原性の病気と紙一重ではないでしょうか?