小説『砂の女』とジェンダー

 以上の検証から、本稿は小説『砂の女』を、肉体に躓き、肉体からの逃走を図った男が、肉体の側からの復讐として、肉体そのもののような<女>との対峙を強いられ、<女>との通路の回復、再びの喪失を経て、最終的に肉体との和解へと至る物語であったと結論する(木村陽子『安部公房とはだれか』笠間書院、2013年、p283)。


*これは、鋭い指摘です。