誤解をおそれずにいうが、筆者は、患者に過量服薬をされること自体は、主治医として必ずしも恥ずべきことだとは思わない。大切なのは、発生した過量服薬の一つ一つを丁寧に振り返り、そこから多くを学んで、将来の過量服薬を減らす努力をすることである。問題とすべきは、過量服薬の背景にある動機や困難を同定しようとせず、漫然と同じ処方を続ける精神科医である。このタイプの医師のことをもはや「精神科医」と呼んではならないだろう(松本俊彦『もしも「死にたい」と言われたらー自殺リスクの評価と対応』中外医学社、2015年、p101)。
*いるいる、こういう「精神科医」。