応援団という考え方
「昔、炭鉱夫は坑道にカナリアを持ち込んだと言います。カナリアは酸欠に敏感で、炭鉱夫に危険を知らせる役に立ったそうです」という話があります。あなたたちは、家庭内で酸欠をおこしているカナリアなのですね。そして、その悲鳴を聞きつけて、私たち大人(専門家)が動き出すのです。間違った社会を変えていくために。
ですから、どうか勇気をもってさえずってください。つらい心を隠さないでください。
本人がしんどくて悲鳴をあげられない場合は、友人がまずは学校の先生に伝えてあげてください。そうすれば必ず、あなたの応援団に話が届き、動き出すことでしょう。「応援団」とは、ダルク(DARC:薬物依存症者のリハビリ施設)女性ハウス代表の上岡陽江さんに教えていただいた、たいへん素敵な言葉です。
また、ひとりの援助者だけが抱え込むのではなく、「あなたを支えるチームを作りたいから、他のスタッフにも理解してもらわないといけない」「世の中には信頼できる人もいて、つらいときには助けを求めてもいい」と言う精神科医もいます。これも、「応援団」と同じ考え方であると思います(天羽薫「援助交際から足を洗いたいけど、洗えない」松本俊彦(編)「中高生のためのメンタル系サバイバルガイド」日本評論社、2012年、p36)。
*たしかに、「応援団」とはいい言葉だと思います。