DSMの存在意義

神田橋 いえ、必要です。いまや、DSMなしには精神科医の仕事は成り立ちません。マニュアルで診断をするやり方は、自身が軽度の発達障害を持っている精神科医にせめてもできる方法です。そういう診断法をいつまでも続けることができる能力とは、その精神科医が軽度の発達障害だからです、自分も生きにくさを感じている頭のいい学生が、DSMがあるから自分にもできるんじゃないかと思って精神科医になる。そういう人が増えているのですから、DSMは今の医療現場に必要です(神田橋條治(他)『発達障害は治りますか?』花風社、2010年、p179)。


*いかにもありそうな話です。