阿波踊りにおける死者との交歓

http://mainichi.jp/area/tokushima/news/20130816ddlk36040423000c.html より転載
平和祈念祭:戦没者の冥福祈り、阿波踊り奉納−−徳島護国神社 /徳島
毎日新聞 2013年08月16日 地方版


 終戦記念日の15日、徳島市雑賀町の県護国神社で同神社奉賛会主催の「平和祈念祭」があった。同神社に祭られている県出身の戦没者ら3万4367柱を前に、遺族ら約80人が戦没者の冥福を祈るとともに、平和への誓いを新たにした。
 午前11時から社殿で行われた祈念祭では近藤宏章・奉賛会会長が「悲しみの歴史を二度と繰り返さない決意を固くし、努力を重ねていくことを誓います」と祭文を読み上げ、参列者は玉串をささげた。正午には全員で1分間黙とうし、天水連が阿波踊りを奉納した。
 終戦の日に旧満州(現中国東北部)で義兄が戦死したという阿南市の女性(74)は「この日が来ると、兄の顔が浮かんでくる。家族を守ってくれていることに改めて感謝したい」と、しのんでいた。【阿部弘賢】


*一見、観光化・商業化したように見える現代日本阿波踊りですが、こういう記事を読むと、死者と交歓する死者儀礼という宗教的ルーツは消滅した訳ではないことがわかります。終戦の日の頃の、今や日本全国に広がった阿波踊りには、「戦没者との交歓」という側面もあるのだと思います。私は、安倍首相と違って、終戦の日靖国神社参拝だけが戦没者と交流する特権的な機会だとは思いません。安倍首相も、戦没者に思いをはせながら、阿波踊りに参加してみてはいかが?
 そういえば、昔私のゼミの女子学生に阿波踊りで卒論を書いた子がいて、昔は摂食障害自傷行為もやった、「阿波踊りがなかったら、うち、ヤンキーになっとったかもしれん」と言っていました。ご先祖のご加護でしょうか?