「ぜんまいざむらい」における救いの観念

ぜんまいざむらいのうた」のYou Tubeバージョンを紹介しておきます。

http://www.youtube.com/watch?v=fe3o7yjGpro

 この「明日のための今日を生きるのではなく、今日のための今日を生きる」というまったりした脱力感(コンサマトリー的価値観)はプレモダン=ポストモダン的、「生前の倫理的行為が、この世を楽しめる期間を決定する」という徹底した現世救済志向は、超・近代的です。宗教学的にも、時代の転換点をうまく捉えたとても面白いアニメです。1990年代の心理学ブームが終焉し、子どもたちの関心が「からくり」を活用して「自己の情緒的満足を最大化すること」から、「善を施すこと」つまり「社会の共同善(Common Good)を探求すること」と回帰し始めたということでしょう。