石器時代の老賢女

https://news.yahoo.co.jp/articles/1aa0f0903e8b06c57fb1329e556a228b6b3035fb?page=2

より転載


では、この像は何のために作られたのか? 多くの仮説や解釈があり、定説があるわけではないが、近年の発掘物や研究と照らし合わせると、「老賢女」や「祖母神」を表しているという説が有力となってきている。 石器時代の高齢女性は、医療や出産、栄養などに関する知識が豊富で、尊敬される存在だったとされる。村の文化を守り、伝えるという文化的側面を支えたことで、人類史にも大きく貢献したという見方が有力だ。 一方発掘物は、若い女性も、男性と共に槍を持って狩猟に参加していたことも物語っていて、「石器時代から男性は狩りをし、女性は洞窟で待っていた」という説は否定されつつある。実際イノシシなどの大きな獲物は日常的に獲れるものではなく、ウサギや鳥などを罠にかける狩猟が主だったため、男女の能力差はそれほど顕著ではなかったはずだ。 狩猟能力のある若い女性が男性と共に狩りに出かけ、年配の女性が村で子供達を教育しつつ、村の文化や健康を守る。このような石器時代ノマド生活をイメージするとき、「ヴィレンドルフの女性」像が尊敬すべき「老賢女」を表しているという説は説得力がある。 * * * ドナウ河畔で発掘された小さな石像は、石器時代にアルプスの向こうから旅をしてきた。欧州を旅する狩猟の民の生活は、「老賢女」の知識と叡智に支えられていたのかもしれない。


*「文明が生んだ最悪の存在、それではババアだ」と言っていた石原慎太郎氏に聞かせてやりたい話です。人類は、「ババアの登場によって文明化した」のです。「原始、ババアは神であった」。