AAにおける宗教体験

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 より転載

 

 さてエビィと再会した後のビルはというと、グループに参加しながらも酒を断つことができずに、惨めさを増すばかりで、以前に何度か治療を受けた医師のところへ行ったのでした。しかし、結局治療費が払えず、家に戻ったのです。その時のビルは、絶望と抑うつの極みにあったそうで、数日後、エビィが訪ねてきて帰ったあと、自らの力の限界を認め、素直な気持ちで祈ったのでした。泣きながら、何でもするということを誓い、そして願ったのです。「神様、おられるなら姿をお示しください。」
その直後の、衝撃的な出来事は、引用にて…
 「突然部屋が言いようもないような白い光に燃え上がった。形容を絶する恍惚の感じに包まれた。……それから、心の目の中に山が見えた。私はその頂上に立っていて、そこにはすさまじい風が吹きすさんでいた。空気の風でなく魂の風だった。偉大な燈明な力で私の中を吹き抜けて行った。その時、”お前は自由だ”という考えが燃え立つように沸いてきた。どのくらいの時間こんなことをして過ごしたのか覚えていないが、そのうち段々光りや恍惚が遠のいて部屋の壁が目に入るようになってきた。」
 この日以来、ビルは神の存在を身近に感じるようになり、飲まなくなった。
また、ビルはこの体験が、幻覚かもしれないと医師に相談したが、医師は、「私には分からないが、君はそれにすがりついた方がいい。何であれ、ほんの数時間前までの君よりいいさ。」と、言ったそうだ。

 

*日本のAAや断酒会では、このようなキリスト教とは違った宗教体験があるのでしょう。