酒との別れ

 以上の反対が後者である。妻子友人が見放し、一切の趣味がなく、食べ物の好みもなく、アルコールなら何でもよく、ひいきの力士も球団もない場合。しかし、第二グループでも変化が起こらないではない。例えば身体病である。これによって、前者に移行する可能性が絶無ではない。

 後者には社会的背景があることが多い。三池炭鉱を始めとする炭鉱の廃山が典型的な例である(中井久夫「煙草との別れ、酒との別れ」『中井久夫集10』、みすず書房、2019年(初出2008年)、pp.266-267)。

*考えさせる見解です。