「祈り」と薬の処方

(前略)「効きますように。副作用が出ませんように」と心の中でつぶやきながら処方箋を渡すときには何かが受け手に伝わり、ひいては薬の効き目にも影響するのではないかと私は本気で思っている。薬は、その作用に心身が「賛成」するかどうかで効力がちがってくることが少なくないと私は信じている(中井久夫「「祈り」を込めない処方は効かない(?)」『時のしずく』みすず書房、2005年(初出1999年)、p109)。


*「信仰治療」を考える上で、示唆的な発言です。逆に言えば、「祈り」を込めて、その作用に病者の心身を「賛成」させた上で処方すれば、ただの小麦粉であっても一定の効力を発揮するのでしょう。