希少財となった教育

戦後、食糧からはじまった、国民の最も獲得したい対象(もの)は、電化製品や自動車をへて住宅で終わりを告げたかに見えたが、今や“教育”がその位置を占めつつある。それは、高度成長時代とはうって変わった社会にふさわしいが、ある階層以下のものにはその名に値いする高等教育は次第に土地以上に手の届かないものになりつつあることを感じる(中井久夫「世に棲む老い人」『「つながり」の精神病理』ちくま学芸文庫、2011年(初出1987年)、p216)。

#けだし、先見の明があったと思います。