教団におけるエリートと大衆

 後になって私はよく思ったものだ。

「たくさん人を引っかけて、一緒に金儲けしようや」

 とでも言ってくれたら、どんなにか気楽だったことだろう。たぶん喜んで一緒にやったに違いない。けれど、これほど一生懸命になることも、またなかっただろう。

 ちなみに、「こんなことをしたら、どれぐらい引っかかるか」という表現は、私の在籍中でさえしばしば耳にした。会員には信じられないという人が多いと思う。しかし残念なことに、これが〈幸福の科学〉の経営陣の姿勢だった(関谷晧元『虚業教団』現代書林、1993年、p107)。


*現代の宗教教団組織における、高学歴エリートの幹部と一般大衆の信者の意識の二重構造。