女性の侠気
たしか、「女々しい」太宰治が『人間失格』で、「男性よりも女性に侠気を感じることが多い」と述べていましたが、賛成です。特に太宰治の時代には、『忠臣蔵』という強力な「男のなかの男」のイメージが流布していたので、「民衆的正義感のふるさと」である侠気は、男性よりも女性によって体現されることが多かったでしょう。拙著『男らしさという病?』は、「これからの日本を支えるのは、年配の男性ではなく、強くなった女性と、女性についていくわがままになった若者である」という鶴見俊輔の言葉を、「女性の侠気」をキーワードとして、理論化したものです。典型的な具体例は、マンガ=TVドラマの『ごくせん』(やくざの組長の娘がヤンキー男子高校の教師になる物語)のヒロイン・「ヤンクミ」です。
「明治日本の宗教者とエートスとしての<侠>」
http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20080910/p1