変身と境界性パーソナリティ障害

(前略)このように変身をためらわない生き方は、現代社会においてすでに一般的になっていると考えてよいでしょう。しかしひとたび、そのような生き方を取り入れてそれに馴染んでいる人が不適応状態に陥ると、そのスタイルが不釣り合いに強調された形で境界性パーソナリティ障害の症状が生じると考えられます。境界性パーソナリティ障害で問題になる対人関係の不安定さや自己同一性の障害は、精神障害の現れであるばかりでなく、時代に流行しているライフスタイルの反映という意味合いもあるのです(林直樹「監訳者解題」タミ・グリーン『自分でできる境界性パーソナリティ障害の治療ーDSMー4に沿った生活の知恵ー』誠信書房、2012年、p73)。


現代社会が変身能力を欲求することとBDPには、確かに関係があると思います。