不登校擁護論への疑問

 不登校に対して、「学校にいかないのは悪いことではない」という発言がときどきあります。しかし、不登校は学校という社会への不適応であり、強制的な登校刺激は論外としても、何らかのゆるやかな対応は必要です。不登校になっている子どもたちに聞いてみると、不登校という状態が快適でよいと感じている子どもたちはほとんどいません。何かがうまくいかない、何かがまずいと思っている子どもたちがほとんどです(平岩幹男『自閉症スペクトラム障害ー療育と対応を考える』岩波新書、2012年、p184)。


精神科医高岡健氏の著作に代表されるような「不登校・ひきこもり擁護論」は、社会における「強制的な登校刺激」の横行に対するアンチテーゼとしては理解できますが、やはり全面的には賛同できません。