私は若い頃は「軽症境界例」だったと思います(今はさすがに「病い抜け」していると思いますが)。しかし、こういう人がなりがちな「(アルコール)嗜癖」にはなりませんでした。理由は、研究者になったからでしょう。良い論文が書けたときには、脳の報酬系が活性化され、脳内麻薬物質が分泌されていると思います(私の場合、そういう機会は1年に数回だけですが)。その時の快感は、アルコールによる酔いをはるかに上回る強烈なものだし、頭の中で何度でも反芻できます。それを「研究嗜癖」と呼べばそれまでですが。一般に大学教員には「ヘンな人」が多いのに、「(アルコール)嗜癖」が少ないのも、おそらく同じ理由によるものでしょう。