カフカとアンパンマン

 フランツ・カフカの小説『変身』は、「近代人の疎外」を描いた作品などではなく、「食べる」ことをめぐる超現実主義的な思索です。カフカのこのテーマは、晩年の傑作短編『断食芸人』に引き継がれていきます。P・K・ディックのSF小説に「カフカのエンターテイメント版」という側面があるように、やなせたかし原作の「アンパンマン」には、「食べる」ことをめぐる超現実主義的な思索という点で、「カフカの幼児向け版」という側面があると思います。

アンパンマンの孤独−愛と勇気とホモソーシャル
http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20140329/p1