「の子」のジェンダーについて

 若者の一部にカルト的な人気のある日本のロックバンドのひとつに、「神聖かまってちゃん」があります。作詞・作曲を手がけるボーカルの「の子」は、生物学的には「男性」ですが、ヴォイスチェンジャーも使うし、女装もします。ちなみに、「境界性パーソナリティ障害」で精神科に通院しているそうです。「同一化」の前提となる「男性的/女性的」ステレオタイプが大きく揺らいでいる先進国のポストモダン状況下では、哲学者J・バトラーの「パフォーマンスがアイデンテイティをつくる」という議論や、高橋留美子のマンガ「らんま1/2」のような、「ジェンダーアイデンティティは可変的である」という状況は、一般大衆にも受け入れられやすくなっているのでしょう。


神聖かまってちゃん - グロい花
http://www.youtube.com/watch?v=5SWAYEStpRc