「臨床仏教師」と内観法

 私の勤務する曹洞宗宗門系大学も、全日本仏教青年会の「臨床仏教師」養成コースに参加することになりました。私は、この企画はタイムリーなものとして高く評価しています。ただ、気になったのは、養成プログラムに「内観法」が採り入れられていたことです。内観法に着眼したのはとてもいいことだと思います。しかし、内観法には、自殺というリスクがあります。内観法を創始した吉本伊信の道場では、時たま自殺者が出ていたそうです。病院で患者に内観法を行わせる場合には、「入院中に自殺しても病院の責任は問わない」という誓約書を事前に書かせることもあるそうです。これまで多くの宗教団体が内観法の導入を見送ってきた理由も、自殺というリスクがあるためです。パンフレットを見た限りでは、臨床仏教師養成コースは、その辺を十分に考慮したのか、少し心配になりました。杞憂だといいのですが。