語呂合わせまたは「マニュアル的心なおし」

 島薗先生は、「ガンになるのは頑固だからだ」といった日本の新宗教における「語呂合わせ」を、「ミクロコスモスとマクロコスモスの対応を説いている教え」と高く評価しています(『時代のなかの新宗教』弘文堂、1999年)。しかし、私に言わせれば、それは新宗教に対する思い入れ過剰がもたらした見解であり、日本の新宗教における「語呂合わせ」は、「人に合わせて法を説く」という「対機説法」ができる宗教者が足りなくなった段階で登場する心なおしのマスプロ版、「マニュアル的心なおし」に過ぎません。白光真宏会の教祖・五井昌久は、生長の家における「語呂合わせの教え」を、「自分を裁き、他人を裁く、小さな狭い善男善女を作る教え」として、厳しく批判しています。私も賛成です。