完全欲と60点主義

 神経質症にかかる人は、一般に要求することが多い。これも完全欲の強いのと同じ意義のことである。自分の能力をはるかに超えることを望むものは、つねに欲求不満に悩まされるのは当然である。おもしろいことには欲求水準テストを行うと、神経質症の人は一般に実際の能力に比べて欲求水準の高いことがわかる。しかし治療してなおると、それが普通の水準に戻ることが示される。このことは、神経質症がなおると彼らが観念的でなくなり、より現実的実際的になることを証明するものと考えられる(高良武久『森田療法のすすめーノイローゼ克服法ー』白楊社、2000年(初版1976年)、p.118)。


*「60点主義」で生きること、「足るを知る」ことが大切なようです。「よくにきりないどろみずや/こころすみきれごくらくや」(中山みき『おふでさき』より)