一人でいられる能力/二人でいられる能力

 第八は、一人でいられる能力である。これはウィニコットが唱えて有名になった。私は、これに二人でいられる能力を付け加えたい。この両方が境界例には障害がある。二人でいて満足したらあんなに長く二人でいることを欲求するまい(中井久夫『精神衛生の基準について』「『つながり』の精神病理」ちくま学芸文庫、2011年(初出1985年)、p245)。


*「一人で見るのが儚い夢なら、二人で見るのは退屈テレビ」(井上陽水)。これは、境界例的な感覚でしょう。