戦争維持装置としての「禅」

(前略)そこで最近、米軍が取り入れつつあるのが「サムライ・トレーニング」と呼ばれる「瞑想、禅の精神修養」だ。特に陸軍では110万人の兵士全員に精神的トレーニングを義務づけ、戦場や期間後の生活において精神の安定を保てるようにするという。(中略)実際に試験的にトレーニングを受けた兵士の7割は「ストレスに対処しやすくなった」など、肯定的に評価しているという(『サンデー毎日』2009年9月27日、p.35)。

 日本が第二次世界大戦用に<発明>した「宮本武蔵」的男性性(拙著「男らしさという病?」参照)が、現在、アフガニスタンイラクの情勢のために、米軍によって<輸入>されつつある、ということでしょう。「米軍のオウム真理教化」が始まったと見ることもできるでしょう。日本の曹洞宗臨済宗の関係者は、こうした曲解に基づく「禅」という言葉の流用=横領(appropriation)、いわば軍事利用に対して、抗議の声を上げないのでしょうか?