「永遠の0」と「男らしさ」

 話題の百田尚輝『永遠の0』を読了。「義理(戦友に命を助けられた)と人情(妻子のために生き延びたい)を秤に掛けりゃ、義理が重たい男の(生活)世界」が国家に利用される(特攻死)という話でした。エピローグでは、米軍兵士たちとの「ミニマルな友愛」(J・デリダ)―「好敵手」として認められる―が描かれていました。絵に描いたような「ホモソーシャル礼賛」の物語です。やれやれ。