日本の宗教界とDV(1)

 天理教の東京布教の道筋をつけた東本大教会初代の女性会長・中川よし(明治2年ー大正5年)の場合、自分がひたすら信心に打ち込むことによって、女道楽だった夫を感化して、最後は夫も布教師にしています。天理教の女性教祖・中山みきと夫・善兵衛の関係も、そういう「妻による感化型」の関係だったのではないか、と推測しています。

 天理教の機関誌「みちのとも」2008年10月号に、夫の酒乱と暴力に苦しむ女性信者(患者)に、心療内科医でもある男性信者が、「夫に感謝していますか?」と指導し、信者が「夫にお金をもらっている」ことに感謝したら、夫が酒量をコントロールできるようになり、夫婦関係が改善されたという「おたすけ(?)」の話が掲載されていました。これが、DVに苦しむ女性に対する日本の宗教界の信仰指導の現実でしょう。「妻による感化型」が理想とされてはいるが、現実にはなかなかそこまではいかないのでしょう。