<侠育>としての創価教育

「角川新字源―改訂版」(角川書店、1994年)では、「侠」という漢字は、「人と、音符・夾(たのむ意)とから成り、自分の力をたのみにして人に協力する人、『おとこだて』の意を表す。」とあります(p62)。「侠」は、神仏儒の宗教伝統にはない概念ですが、「倫理的態度の血肉化されたもの」という意味で、ウェーバー社会学でいう「エートス」として位置づけることができるでしょう。

独創的教育の要諦は行詰まったときに自分の力でその局面を打開し、他人の力に依頼しないような堅実なる人を養成することである(新渡戸稲造創価教育学体系への序」牧口常三郎牧口常三郎全集第1巻」東西哲学書院、1965年所収、p396、原文1930年)。

「上のものとしか喧嘩をするな」(牧口常三郎)(竹中労「庶民烈伝ー牧口常三郎とその時代」三一書房、2008年所収、p10)

牧口常三郎が構想した「創価教育」とは、<侠育>でもあったのでしょう。