ミニトラウマの処理方法

古式カタルシス護摩たき療法」


 護摩たきとは、煩悩をあらわす護摩木を焼くことで、心の迷いを焼き尽くすことです。PTSD心的外傷後ストレス障害)の人は、まず、心的外傷(トラウマ)となったできごとを、できるだけくわしく紙に書き出します。この作業はつらいものですが、そのときの状況を、たとえば相手の言葉、相手が着ていたもの、部屋の様子まで、こまかに思い出し、紙に書きます。そして、その紙を、庭の隅やベランダで、「これで過去とおさらば!すべておしまい!」と3回声に出して言いながら焼きます(貝谷久宣『よくわかる/薬いらずのメンタルケア―うつ、ストレス・不安に負けない―』主婦の友社、2011年、p87)。


*確かにミニトラウマには効きそうですが、あくまで仏教文化圏での方法ではないでしょうか。

学の継承とは

 だが、見田さんに影響を受けたひとびとは、「根源的に考えること」という姿勢を学んだのだと思う。わたしの師匠は吉田民人さんだが、わたしは彼の研究テーマも学風も学ばなかったのに、「理論の博打打ち」としての姿勢だけは学んだ。師が何を言ったか、何を書いたかはすっかり忘れているのに、身近にいたそのひとの、学問に対する態度だけは鮮明に覚えている。学の継承とはそういうものかもしれない(上野千鶴子「弧峰としての見田社会学」『現代思想臨時増刊号/見田宗介真木悠介』vol.43-19、青土社、2015年、p39)。


*いつもながら、クールな分析です。