利他主義の本質主義的説明に向けて

人間の利他主義本質主義的説明は、不毛であるとされてきました。しかし、考古学の最近の成果を踏まえると、可能ではないでしょうか。約7万年前のスマトラ島のトバ火山の大噴火によって、気候の寒冷化が起こり、現生人類は絶滅寸前にまで追いやられ、アフリカの人口は1 万人未満にまで減少しました。この「トバ・カタストロフ理論」によれば、利他主義本質主義的説明が可能になるのではないでしょうか。この人類が絶滅寸前になった時期に、「助け合わない」ヒトは淘汰されてしまい、「助け合う」生物学的特徴を持ったヒトだけが現代に生き残ったのではないでしょうか。あくまで仮説ですが、十分にありそうな話だと思います。