DV問題と境界性パーソナリティ障害
心理学者でブリティッシュ・コロンビア大学の研究者でもあるドン・ダットンは、インタビューの中で、妻や子どもを虐待する男性の約30%が、境界性パーソナリティ障害だろうと言っています。身体的虐待を行う女性が境界性パーソナリティ障害である可能性は、もっと高いでしょう。
これまで虐待が起こっていなくても、またこれからも起こると思えなくても、身体的暴力はどんなものも深刻に受け止めてください。暴力がエスカレートする危険性は潜在的にあるのです。暴力を目撃した子どもには、虐待を実際に受けたこどもと同じような影響が見られます。何らかの対策を立てておかなければなりません(R・クリーガー&P・メーソン『境界性パーソナリティ障害=BDP―はれものにさわるような毎日をすごしている方々へー/第2版』星和書店、2010年、p212)。
*DV問題は、しばしば、境界性パーソナリティ障害の問題とジェンダー問題が交差するところに発生しているのでしょう。境界性パーソナリティ障害だったと推測されており、妻に対するバタラーであり、薬物依存から死んだミュージシャン・尾崎豊のことが想起されます。