性依存症:語り合い克服

http://mainichi.jp/select/news/20140824k0000m040137000c.html より転載
性依存症:語り合い克服 福岡市に自助グループ


 痴漢や盗撮などの性犯罪の加害者になることもある「性依存症(性強迫症)」の人のための自助グループが福岡市内で活動をしている。性依存はアルコールや薬物などへの依存症に比べて治療の場が少なく、自助グループの設立も九州で初めて。同じ問題を抱える人同士が経験を話し合うことで考えのゆがみに気付き、再犯を防ぐのが狙いだ。
 「相手は嫌がっていないという間違った考えで繰り返してしまった」。福岡市の公共施設の一室を借りて月に3回開かれている自助グループ「無名の性的強迫症者の集まり(SCA)福岡」のミーティング。女性の体を触ったとして昨年、福岡県迷惑防止条例違反容疑で逮捕された40代男性が自身のゆがんだ妄想を打ち明けた。
 男性は10年以上前にも同容疑で逮捕されたことがある。2度目の逮捕の後、妻と離婚し、インターネットで知ったSCA福岡に参加した。「同じ過ちを繰り返さないようにしないと。スリップ(再び痴漢すること)しそうになったら、ここですべてを話して吐き出すことで回避したい」と力を込めた。
 性依存症は不特定多数の異性と頻繁に性交渉したり、風俗通いがやめられないなど、性的行動に過度に依存する精神疾患の一つ。欲望を抑えられず、痴漢や盗撮、下着泥棒などの犯罪を繰り返す人もいる。昨年秋、福岡市内の民間団体が性犯罪加害者のための電話相談を実施したところ、「やめたいけれど、どこに相談したらいいのか分からない」などの声が多く寄せられ、相談員が中心となってSCA福岡を1月に設立した。
 ミーティングは無料で、毎回4〜5人が参加する。依存症に詳しいスタッフ立ち会いの下、あだ名を名乗って互いに経験や考えを語り合う。参加者は「パートナー以外とのセックスは禁止」など、それぞれの決意をまとめた計画書を作成し、考えや行動の問題点と向き合う。
 目白大心理カウンセリング学科の原田隆之准教授によると、性依存症は、アルコールや薬物への依存と同じように、快感を得ることで脳内のドーパミンが多く分泌され、満足感を得るために繰り返してしまうのが原因とみられる。


*今後、こういう自助グループは増えるでしょう。