「宗教と社会」学会について

 今後の芸術療法学会についてであるが、私のように学会とともに老いてきた人間の発言はあまり意味がないだろうと思う。この学会のよさであるインターディシプリナリーなところが、素人くささ、アマチュアリズムと映ることもあるだろう。しかし、この素人くささは、学会エスタブリッシュメントの固定化にまさること千万である。学会に栄枯盛衰は付きものであるが(おおむね二十周年周期といわれる)、異なるトレーニングを受けた人の出会う場所である限り、その独自性は約束されており、従って意義と有用性とを失うことはないであろう(中井久夫「芸術療法学会の二十五年」『隣の病』ちくま学芸文庫、2010年(初出1994年)、p138)。


*中井氏が芸術療法学会について言っていることは、「宗教と社会」学会にもほぼそのまま当てはまるように思います。