一匹狼か猫型人間か

 私はよく一匹狼タイプといわれます。私は、この評価は半分正しく、半分間違いだと思います。私が、日本人には稀にみる「一人でいられる能力」(ウィニコット)の高い人間であることは確かです(「社会性が乏しい」ことをポジティヴに表現するとこうなります)。しかし、私は一匹狼というよりも猫型人間なのだと思います。一匹狼という表現には、「本来は群で暮らすべきだが、逸脱している」というニュアンスがあります。しかし猫は、そもそもが単独性動物で、群を作ったり尻尾を振ったりする習性がありません。
 私は猫を飼っていますが、聴覚の「アンテナ感覚」に頼っている生きものです。特にネコ缶を開ける音に対する反応の鋭さには、驚くべきものがあります。