アキハバラの<侠>と<粋>

 AKB商法に代表される最近のアイドル商法ついて、テレビで荒俣宏が、「推しメン」(応援メンバー)の文化は相撲の「タニマチ」の「育てる」という楽しみを大衆化(商業化)したもので、「百も承知で馬鹿を楽しむ」江戸町人の<粋>の美意識を引き継ぐものだ、と解説していました。私もそう思います。
 東大宗教学の島薗先生に、「熊田氏が興味を持つのは、釜ヶ崎よりもまずアキハバラであるように思うが、そのふたつはどう関係しているのか?」という意味のことを問われたことがありますが、「弱きを助け、強きを挫く」という<侠>の文化と<粋>の文化は、江戸時代との関連では、<武士>の文化ではなく<平民>の文化の精髄であるという点が共通していると思います。