性犯罪被害者が白書に手記

http://digital.asahi.com/articles/TKY201206120198.html より転載
性犯罪被害者が白書に手記 「弱さの中で生きる強さ」


 愛知県の女性デュオPANSAKU(パンサク)の「ぱん」さんこと山本恵子さん(32)が、2012年版の犯罪被害者白書に、自らの性被害についての手記を寄せた。連携して被害者を支え、傷ついた心にひとりの人間として寄り添ってほしいという願いからだ。政府は12日、白書を公表した。
 ぱんさんは04年に帰宅途中にレイプ被害にあった。産婦人科医では配慮のないまま事件の証拠を採取された。車内で襲われた様子を犯人役の警官相手に自分で再現させられた。手記には、そうしたことがつらかった、と書いている。
 自殺したい衝動にも苦しんだ。でも、「あなたは大切な存在だよ」と仲間が言い続けてくれて、暗闇から抜け出せたという。〈私はこの数年間で、「過去を乗り越えた強さ」ではなく、「弱さの中でありのまま生きる強さ」を得ました〉
 12年版の白書は、性犯罪被害者への支援を特集。「都道府県警察で産婦人科医会とのネックワークを構築する」など、11年度から始まった国の第2次犯罪被害者等基本計画にある関連施策をまとめて示した。
 その一つとして、産婦人科医療と相談を柱にした「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」の開設・運営の手引を内閣府が作り、自治体などに配布していることなどが報告されている。(河原理子)