「大人かわいい」の意味

JMM [Japan Mail Media]No.584 Extra-Edition3_2 より引用
「現代女性のトレンド〜「男のように考え、男のように振舞う」はもう古い〜」(肥和野 佳子:国際税務専門職、ニューヨーク、マンハッタン在住)


 日本語放送で、5月13日にNHKの「クローズアップ現代」で「大人かわいい」というテーマの番組を見た。「大人かわいい」というのは、独身であろうが子持ちであろうが、30歳を超えた女性も、10代やせいぜい20代前半の若い女性が着るような、かわいい趣味の服、すなわち、かわいいリボンのついた洋服やふりふりのフリルのついた衣装や、ひらひらのミニスカートを上手に着こなして、「30過ぎても、かわいいルックで何が悪いの?男にもてたいから男うけする服を着るんじゃない。かわいい服そのものが好きなの。年齢に縛られたくない。」という自己主張をもった流行だそうだ。

 そういう「かわいい」ファッションの発信は実に日本独特でおもしろい。ファッションはともかく、日本の「かわいい」グッズが世界の女性に評判が良いのは確かだと思う。日本に帰省すると、ほんとうに街のあちこちに愛らしいグッズがたくさんあって、つい買いたくなる。

 近年、女性が「かわいい」が好きで何が悪いと自己主張できるようになったのは、女性に「かわいさ」が求められる昔の男尊女卑への逆行では全くないと思う。むしろ、日本の女性も「自然な」自分を出せるところまで、男女同権が進んできたのかなあと感じる。現代は、「男のように考え、男のように振舞う」というのはもうすっかり古臭いフェミニズムになってしまっているのだ。

(以下略)