デートDVの調査

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010051602000054.html より転載(『東京新聞』5月16日号)
デートDV被害 女子22% 高校・大学生民間団体が調査


 恋人からの暴力「デートDV」を受けたことがある高校生・大学生の女子は22・6%、男子は8・9%に上ることが十五日、民間支援団体「アウェア」(東京)の調査で分かった。
 山口のり子代表は「暴力を愛情とはき違え、暴力への認識があいまいな若者の実態が浮き彫りになった」と指摘している。
 団体が二〇〇六年以降、大学などで開いたデートDV防止プログラムでの受講者計約二千五百人に質問用紙(複数回答可)を配布し回収。「親密な関係の人がいた」のは女子五百三十五人、男子三百十四人。うち、デートDVを「されたことがある」女子は百二十一人、男子は二十八人。「したことがある」女子は四十六人、男子は五十六人だった。
 デートDVは(1)携帯電話のメールをチェックしたり、ほかの友人との付き合いを止めたりする行動制限(2)言葉による暴力(3)身体的な暴力(4)性的な暴力−に大きく分けられる。
 「されたことがある」は男女合わせて、(1)52・6%(2)40・8%(3)35・1%。(1)〜(3)は「したことがある」もほぼ同じ割合だったが、(4)は「無理強いした」が12・1%だったのに対し、「無理強いされた」が25・6%で、加害者と被害者の認識の差をうかがわせた。
 また、被害を周囲に相談しなかった人は半数。「軽く見ていた」「DVとは思わなかった」を理由に挙げた人が多かったが、中には「別れるのが怖かった」「言えなかった」とする人もいた。
 山口代表は「相手の性的自己決定を尊重することを学ぶ教育が急務だ」と指摘している。