佐藤春夫の石原慎太郎評

「こういう風俗小説一般を文芸として最も低級なものと見ている上、この作者の鋭敏げな時代感覚もジャナリストや興行者の域を出ず、決して文学者のものではないと思ったし、またこの作品から作者の美的節度の欠如を見て最も嫌悪を禁じ得なかった」(「社会が震えた芥川賞作家の肉声」『文芸春秋文芸春秋社、2022年3月特別号、p349)。

佐藤春夫の、石原慎太郎太陽の季節』への講評です。的確に本質を見抜いていたと思います。