傾聴について

 人間というのは一人では生きられない、物質的にもそうですけれども、精神的にも一人では生きられないというところがございます。だれか一人でも聞いてくれる人がいれば随分精神健康が違うというところが精神医学以前どころか医学以前からあった精神医学のルーツではないか、少しゆとりのあるほうの人がゆとりのない方の話を聞くということは、おそらく有史以前からあったんじゃないかと思います(中井久夫「医療における人間関係ー診療所医療のために」『世に棲む患者』ちくま学芸文庫、2011年(原文1987年)、p225)。


*「聴きだすけ」(天理教)を考える上で、示唆的な発言です。