パターナリズムとホモソーシャルーオヤジの物語ー

 現代日本で、オヤジ(年輩の男性)受けする物語を書くコツは、パターナリズム(男は女子どもを守る)とホモソーシャル(男同士の非・性的な絆)の称揚をしっかりと書き込んでおくことでしょう。典型的には、百田尚樹氏の小説『永遠の0』です。
 ヴァージニア・ウルフがとうの昔に指摘しているように、「女子ども」を誰から守るのかといえば、「自分と同類の男」からでしょう。また、「男同士の非・性的な絆」を称揚することは、ミシジニー(女ぎらい)とホモフォビア(同性愛嫌悪)の裏返しです。