うつの認知療法を身近に?

http://www.47news.jp/feature/medical/2014/04/post-1062.html より転載
うつの認知療法を身近に/ネットで基本学ぶ/職場で活用の研究進む


 うつ病の治療に用いられる「認知行動療法」の基本的な考え方をインターネット上で提供し、仕事や生活で疲れた心の元気を取り戻す手助けにしてもらう取り組みを専門医が進めている。治療には医師の関与が不可欠だが、健康な人が日常のストレス緩和に使える要素も多い点に着目した。職場でのうつ予防への活用を探る研究も始まった。
 ▽少ない専門家
 認知行動療法は、自分が陥りやすい考え方の癖を見つけ、柔軟な考え方へと修正していく精神療法の一つで、認知療法とも呼ばれる。 薬剤と並んでうつ病への治療効果が認められており、「熟練した医師が行う場合」などの条件付きで健康保険も適用される。
 しかし国立精神・神経医療研究センター の大野裕・認知行動療法センター長によると、厚生労働省の正式な研修を受けた医師は約200人と少なく、受けたい患者の要望に応えきれていない。
 一方で認知療法には、健康な時には誰もが自然にやっている気持ちの切り替え法など「日常生活の中でぜひ活用してほしい知恵が含まれている」と大野さん。そこで同センターは市民向け公開講座などを通じ、その知恵を広めている。
 ▽思考を記録
 裾野を広げるのに役立ちそうなもう一つのルートがインターネットだ。
 大野さんが監修し、認知療法の基本を学ぶことができるウェブサイト「うつ・不安ネット 」が2010年から公開されている。08年に携帯向けサイトとしてスタート、その後、機能を拡充した。広告は入れず、登録会員の会費(年間1620円)で運営しており、今年3月現在の登録会員数は約千人。08年以来の利用者数は累計1万人に上る。
 内容のうち、心がとらわれている出来事について自分の思考を7段階で振り返って記録することで気持ちを軽くする方法を紹介しよう。コラムに書き込むので「コラム法」と名が付いている。
 7段階とは?起きたこと?その時の気分?頭に浮かんだ考え?その考えを裏付ける事実??とは違う事実?現実に適応した考え方?気分の変化。
 例えば、書類を忘れて上司にしかられ気分が落ち込み「もう終わりだ」という考えが浮かんだとする。忘れ物が続いて上司が不機嫌だったのがその理由だが、よく考えると上司は「次は気を付けろよ」とも言っており、体調が良い時は忘れ物はしないことに思い至る。「今後は体調を整えよう」とやるべきことを見つけ、落ち込みが和らぐ―といった具合だ。
 うつ状態の重さをチェックする簡易テストもあり「医療機関受診の目安として使ってほしい」(大野さん)という。
 ▽企業も関心
 ネットは距離や人数にかかわらず利用できるのがメリット。それを生かし、職場での活用を模索する動きもある。
 東京の衛藤理砂医師(内科、精神科)は12年、自身が産業医を務める大手企業と協力し、うつ・不安ネットを従業員のメンタルヘルス向上に使えないか探る研究をした。
 約200人を2群に分け、片方に同ネットの「コラム法」を約1カ月間利用してもらい、終了後、自己評価点数を開始前と比較した。「自分の考え方の癖に気付いて発想を切り替えられる」「仕事のパフォーマンスが以前より高い」との項目は、ネット利用群の方が高い傾向がみられ、利用者の約4割が「今後も活用できる、役立っている」と答えた。
 衛藤さんは「国内では気分のコントロールやストレス対処の方法をきちんと学ぶ機会が少ない。特にネットに親しんだ若い世代には気軽に学ぶ良いきっかけになるのではないか」と話している。(共同通信 吉本明美


*困ったものです。


現代日本における「認知行動療法ブーム」への疑問ー宗教学の立場からー
http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20130922/p1