スピリチュアリティの先進国?

 それ(熊田註;生命保険会社による病院所有)が日本の将来に出現するかということは、私はわかりませんが、とにかくアメリカの精神科医に直接、面会したり、また、間接に会って話を聞きますと、アメリカのようになってはいけない、と言われました。これは、自分たちが好んだ結果ではなく、「敗北した」ということを医者としては考えているようです。
(中略)
 アメリカの誠実な医者たちが、「われわれの轍を踏むな」と私たちにはっきり言ってきたことを、皆さんにもお伝えしたいわけです(中井久夫「国内外の精神医学の動向一端」『統合失調症の有為転変』みすず書房、2013年(初出2008年)、pp.100-101)。


アメリカやイギリスを「スピリチュアリティの先進国」と評する向きもあるようですが、私に言わせれば、「新自由主義」をいち早く推進したアメリカやイギリスの「認知行動療法ブーム」のような事例は、「宗教文化の反面教師」なのです。