女を取られたー千葉県ストーカー殺人事件について

http://www.j-cast.com/tv/2013/11/29190351.html より転載
繰り返されるストーカー殺人「警察じゃ防げない」のか「警察も手いっぱい」なのか


 千葉県市川市で女性が刺殺された事件できのう28日(2013年11月)、現場から逃走したと見られる容疑者の男が逮捕された。きのうの放送で包丁を持った殺人犯が逃げていることの恐怖を訴えたキャスターのテリー伊藤は「スピード逮捕できたことはよかった」と胸をなでおろした。


口頭で警告していたが2か月後に凶行


容疑者は被害者と2年ほど交際し同居していた。しかし、今年9月に破局したあと、「今の男と別れろ」などと要求していた。被害者は警察に相談し、警察は口頭で男に注意して、そのときは素直に従ったが、2か月後に今回の事件を起こした。
被害者が警察に相談していたのに殺されてしまったストーカー的事件となると、ワイドショーでは警察の落ち度について検証がなされるのが常である。しかし、けさは具体的な落ち度は糾弾されず、警察に頼るのにも限界があるんで、他の方法を考えないといけないといったコメントが聞かれた。
菊地幸夫弁護士「(警察が)強くダメだと言っても、本当に頭に血が上ってしまったストーカーには通用しません。その人の未練や心をどう和らげるか、カウンセリングなどソフトな手法も合わせていかないと」
テリーは被害者が「(容疑者と別れた後)2か月間で次の男性と同居している」ことや、容疑者とは別の男性ともトラブルがあったことを挙げ、事件の背後に「彼女の生き方みたいのもあった」などと指摘した。


*私は、加害者男性が「女を取られた」と周囲に漏らしていたことに注目したいです。加害者男性は、被害者女性を愛していたのではなく、「女のいる(女を「所有」している)自分」を愛していたのであり、「男」としてのプライドを砕かれたことによる憎悪は、本当は「次の男性」に向けていたのではないでしょうか。しかし「次の男性」には暴力が通用しそうにもないので、憎悪の対象を「すりかえ」て(精神分析でいう「転位」をして)して、被害者女性を公衆と子供の面前で殺したのではないでしょうか。テリー伊藤氏の「男同士」として加害者を擁護するようなコメントは、私にはとうてい承服できないものです。


―「男のプライドは悪魔の発明品」(エリカ・ジョング