全共闘運動と「新撰組幻想」
全共闘世代の男子大学生を後ろから煽り立てていたもののひとつは、司馬遼太郎の歴史小説「竜馬がいく」と「燃えよ剣」ではないでしょうか。後者には、「男と生まれたからには世の中に名を残して死ぬように命の捨て所を見つけよ」と繰り返し出てきます。世界の若者と連帯して世界同時革命起こすとか言い出して爆弾作ったりハイジャック事件起こした人たちの精神的支柱のひとつが、司馬が描き出した「理念に殉じて滅んでいくことこそが美しい土方歳三」像だったのではないでしょうか。この辺は、運動の当事者たちにきちんと「総括」していただきたいものです。ちなみに、女性漫画家の高橋留美子には、「燃えよ剣」をパロディにした「萌えよ剣」というゲーム作品があります。