「人づけ」ということ

 (熊田註;統合失調症の幻覚妄想状態からの)回復への重要な寄与は「人づけ」だと思う。これは「餌づけ」と対照させていっているのである。解釈も「観念づけ」であっては生きないだろう。「社会づけ」だけでもどうであろうか。「この世ははかなく無常であってもどこかに生きるに値するところがある」という実感が微かな人肌のぬくもりのようにして伝わるといいと思う(中井久夫「私の外来治療」『統合失調症の有為転変』みすず書房、2013年(初出1993年)、pp.241-242)。


*「人づけ」とは言い得て妙です。宗教にも応用できそうです。