家入レオの音楽

http://www.oricon.co.jp/news/music/2018388/full/ より転載
家入レオをブレイクさせたビジュアル戦略


 幅広い層に向けた施策を展開しながらも、特にメインターゲットとしたのが彼女と同世代のティーン。3rdシングル「Bless You」の購入者抽選イベントでは、中高生限定のファンミーティングも実施した。
 「2ndシングル以降、販促イベントとしてフリーライブを行っているのですが、CDを購入してくれる約5割は中高生。彼女が歌う大人でも子供でもない、17歳ならではの行き場のない焦燥感が、同世代にはすごくリアルに響くようですね。CDに関してもティーンができるだけ買いやすい価格のものを提供しています」
 また、最近では40代の男性ファンも増えているという。
 「前作のお台場のイベントでは、「20年ぶりにCDを買いました」という40代の方もいらっしゃいました。彼女の音楽は最先端というわけではなくて、ある意味オーソドックスなもの。ストレートでわかりやすい楽曲が、昔聴いていた音楽とクロスオーバーしているのかなと思います」


http://www.oricon.co.jp/music/interview/page/266/ より転載
自分の輝きを見つけられるかどうかで毎日が変わる


――どの曲にも胸に響く言葉があって最後までドキドキ感が途切れませんでしたね……。2曲目の「Last Stage」などは弦の使い方も変わっていて、哀しさとか切実に訴えかけてくるものを感じました。
【家入】 「Last Stage」、「Say Goodbye」は14歳の時に書いた曲で、一番ヒリヒリしていた時期だから、そういう部分がメロディーラインにも表れてるなぁと自分でも思います。「Last Stage」を書いた時期は学校で本当にうまくいっていなくて、真実の自分を見せたら嫌われちゃうと思っていた時期なんです。すごく敏感になっていて、夜も眠れなくて。そんな時にテレビをつけたら“派遣切り”の特集をやっていて。テレビのなかの人が「私は派遣社員だから誰でもできる仕事をしていて、ちょっとでもミスをしたらすぐにやめさせられちゃうし、私の存在ってなに?」と泣きながら訴えていて。それを見て私と同じだと思ってすごく怖くなったし、同時に「悲しいよね、苦しいよね。だから負けないで!」っていう気持ちが湧いてきたんです。だから本当に弦の太さにもサウンドにも「負けるな!」って気持ちが込もっていると思いますね。「Say Goodbye」はライブで歌うと、かなりスイッチが入ります。
――その“スイッチが入る”エピソードとは?
【家入】 過去に傷つけてしまった友だちの顔が浮かぶから……っていうのが大きいんです。当時、自分の秘密を話せる友だちを探していて、相手を試すために近づいては「やっぱりダメだな」って絶望する繰り返しだったんですけど、そんな風に人を試している自分にサヨナラをしようと思って作った歌です。サヨナラしたことで自分なりに前に進めた曲でもあるし、駆け引きを繰り返していた子たちの顔がリアルに浮かんできちゃって、責められる曲でもあるんです。
――だから<新しい世界に今 Hello 汚れた世界に今 Goodbye>と歌っているんですね。そして、2ndシングル「Shine」もまた、なにかを見つけたような輝きが。
【家入】 「サブリナ」は15歳の時の、自分の心の葛藤を書いた曲で、「Shine」は世界が広がったというか東京に出てきてから書いたんですけど、視野が広がって自分とほかの人を比べちゃっていた時期があったんですよ。「あの人に比べて私は……」と考えているうちにどんどん光を失っていっちゃって。その時に福岡の友だちが電話で「家入にはもう音楽しかないよ」ってキッパリ言ってくれたのがすごく衝撃で、“あ、よかった”って思えたんです。人は他人のいいところを見つけることができるのに、自分の輝きを見つけるのはすごく難しくて。でも変わらない輝きっていうのは誰もが持っていて、それに気づくか気づかないかで日々は変わっていくんだってことに気づいたんです。だからみんなも自分の輝きに気づいて!という想いで書いたので、すごくポジティブな曲です。
――ドラマ『カエルの王女さま』(フジテレビ系)の主題歌でしたけど、ストーリーともすごく合っていましたね。
【家入】 ありがとうございます。書き下ろしも初めてでしたし、たくさんの人に聴いてもらえるキッカケになりました。
(文:三沢千晶)