女女格差とウーマン・リブ

 日本の1980年代以降の第2期フェミニズムには、日本の1980年代の「総中流化幻想」の副産物としての側面があり(そうした側面を代表するのは、確かに上野千鶴子さんでしょう)、1990年代以降の「女女格差」(経済格差の拡大と新しい「階級」の時代の到来)に、現状では充分には対処できていないと思います。私たちは、1970年代におけるウーマン・リブの初心を思い返すべきなのかもしれません。


  私が敬愛する上野千鶴子さん。彼女は「ウーマン・リブはしっかりと私たちのフェミニズムに継承されている」と言う。そうかなあ。継承されたのは上っつらの理屈の部分じゃないかしら。
 不埒がいのちの私のリブは、かのボディコン、スケスケルック、ガングロのヤングギャルたち、彼女らのあの過激さにそこはかとなく引さ継がれてているような……そんな気がする。
 男からの承認なんか、ハナから求めていないあのパワーに、世の顰蹙をモノともしないあの不敵さに、かつての私たちがダブって見えて、少しだけ懐かしい(田中美津『いのちの女たちへー取り乱しウーマン・リブ論(増補改訂版)』2004年(初出1972年)、p382)。